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今月(10月1日~10月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • みいちゃんと山田さん 分冊版

    亜月ねね

    現実世界のちいかわ
    ネタバレ
    2025年7月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ざっくりと雑に言ってしまうと、これは現実世界を生きるちいかわとハチワレの物語。
    ちょっと足りない主人公みいちゃんにとって、世界は厳しく辛く、痛くて冷たい場所。それでも必死に自分らしくサヴァイブしていく彼女が、初めて出会った優しい理解者が、山田さん(偽名)というキャバの同僚だ。
    生い立ちから、知能、性格など全く異なる2人が、心を通わせながら、厳しい社会(主に夜の新宿)に揉まれ生きていく姿は、ときにハラハラされられつつも、いつの間にかほっこりしてしまう。
    個人的には、最初みいちゃんを嫌っていじめ抜いていたキャバのイジワル悪女先輩が、いつの間にかみい虐に快感を感じ、みいちゃんを微笑ましく見るようになっていたのがリアルだなぁ、と。
    夜職の女の子達は、クセのある子が多いイメージだけど、みんなそれぞれ魅力的な可愛い生き物で、ただし特性や運や、その他諸々のタイミングでいつ化け物になってもおかしくない時限爆弾的なところも含め、これはちいかわだったかもしれない女の子達の物語なんだな……と切なくなってしまった。
    みいちゃんと似た境遇の幼馴染ムウちゃんは福祉の手が入りキメラ化を止められたけど、途中で飛んだADHDっぽい子はあのまま悪い方に転がっていくとキメラになっちゃうんだろうなぁ……
  • タコピーの原罪

    タイザン5

    思ってたよりイイ話
    ネタバレ
    2025年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ タコピーには最初イライラさせられまくりですが、
    最終的には「自分の子どもの頃にもタコピーがいてくれたら」……と、思えるようになります!

    こういう系はたいてい胸糞バッドエンドで、このタコピーも救いの無い悪意を浴びて嫌な気分を味わう種類のエンタメだと思っていたのですが……救い、ありましたね。
    ここからでも逆転できるハッピーエンドってあるんだ!?という意味においては、あの伝説の胸糞漫画「四丁目の夕日」以来の傑作です!
    鬱に効く優しいお薬漫画。
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  • 愛蔵版 国民クイズ 下

    加藤伸吉/杉元伶一

    クライマックスは怒涛の展開
    2025年6月17日
    配信ドラマ化が決定したカルト漫画、国民クイズ。
    SF系のジャンルでは、これまでありとあらゆるディストピアが描かれてきたが、これはAIもロボットも宇宙人も出ない、人間の人間による人間のためのディストピアだ。
    国民クイズという設定のアイディア一本勝負ではなく、骨太な人間ドラマや皮肉たっぷりのギャグ、緻密でド派手な作画の勢いなど、読者を引き込む要素が満載だ。
    原作者のあとがきを読むと、当時はイマイチ評判が良くなく、あの怒涛のクライマックスは打切りエンドだったことがわかる。あの終盤の鬼気迫る勢いは、ある意味この作品の魅力の1つにもなっているのだが、原作者が披露した没ネタを見るとかなり面白そうな内容なので、ぜひ漫画で読みたかったと惜しまれる。完全版という名目で加筆してくれないかな(笑)
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  • 愛蔵版 国民クイズ 上

    加藤伸吉/杉元伶一

    祝・実写ドラマ化決定!
    2025年6月15日
    30年以上前の漫画が今実写ドラマ化? と思われるかもしれないが、当時ぶっ飛んたフィクションだった風刺の効いたジョークが、今やリアリティを伴う皮肉になってしまっている面もあり、作者の先見の明に驚かされる。
    個性的なキャラクターの魅力と、サイケデリックな絵作りも相まって、異彩を放つ作品だ。
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  • 藤田の生首

    小骨トモ

    イマジナリーフレンド
    ネタバレ
    2025年6月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ これはいわゆるイマジナリーフレンドを題材にした物語の亜種だと思うのですが、イマジナリーフレンドが生首に受肉してしまっていることによって、ある種の不気味さや残酷さを伴うものとなっています。

    主人公は小学校3、4年生くらいかな? 中間反抗期、ギャングエイジとも言われるその年代の児童は、徒党を組んでいじめをするようになったり、大人への反発が強くなってきます。また、未熟ながら性的な興味も芽生え始める時期です。

    本書は、そうした微妙なお年頃の主人公が、イマジナリーフレンドに救いを求め一時の安心を得るだけでなく、不本意ながらも学校という小さな社会に迎合していく過程が描かれています。
    その過程で、汚れ、傷つく様がリアルで、なかなかにしんどい作品です。短編で拍子抜けするくらいサクッと描いてしまっているからこそ読める題材と言えるかも。
  • スモウちゃんにさようなら

    小骨トモ

    短編だけど読み応えあり!
    ネタバレ
    2023年2月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ これは男性には少しわかりづらいかもしれませんが、バストの発育が早い女子は10歳くらいで体育に躓くんですよ。見た目に恥ずかしいだけでなく、痛みも伴うのでみんなと同じように動けない。そして、それがより悪目立ちして余計に恥ずかしいという悪循環。
    思春期にも入っていない子供の性に対して一昔前までは危機感の薄い親も多く、発育の早い女子でもきちんとした下着を用意して貰えることがなかったというのも背景としてあるかと思います。
    スモウちゃんは、そういった「クラスに一人はいた子」というリアリティを持った主人公像で、何も誇張して描いていないというのがこの作品のすごいところ。

    短編だから物足りない、という人もいるかとは思うけど、これ以上の事件や、解決など明確な動きを描いてしまうとリアリティに欠けるのかなと感じました。ということで、完成度の高い短編です。
    スモウちゃん本人がされたことの問題を理解するのは数年後だろうし、学校や両親が問題に気付くことはないだろうし、一組の先生にも出来ることはないだろうし。

    そして何より、生徒をあだ名で呼ぶ先生は、陽キャからの人気はあるけどクソ教師ってのがめちゃくちゃリアル!スモウちゃんっていう変った名前に対する読者の違和感をきれいに回収する納得のラストです。