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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 1945シリーズ

    尾上与一/

    なぜ流行ってないのか不思議
    2024年9月10日
    めちゃめちゃ良作!!!BLへの偏見と言いますか、ちょっとなぁなんて思っていた私が、【そりゃそうなるよね!】と、素直に撃ち落とされた?砕かれた?深く腹落ちした1冊でした。

    歴史や専門用語の使い方なども丁寧で、ストーリーに入り込みやすく、情景も浮かびますし、下調べの深さが伝わります。主人公ひとりひとりの言葉遣いや心理描写がとても上手な作家さんだと思います。


    作品の背景は
    激戦の、まさに日本軍も終戦までのラストコールが読めておったのか、敗けを見込んで、南方(パプアニューギニア周辺の)最強にして最高の砦と呼ばれていた領地を見離し配給をやめていった時期の戦地。
    兵士の誰もがみんな見事に戦闘機で闘って亡くなるわけでもなく、闘う前や帰還中だったり、身内同士の拷問で亡くなったりと、なぜこんなことで亡くなるのかと今では考えられないような理由で戦死していく、すべてが狂っていった時期です。

    が!作品は、
    ただ「過酷」とか「綺麗事」「くどすぎる」こともなくさらっと書いており
    読者が苦しくなりすぎない配慮もされていたので読みやすく、でも思うところもそれとなく響くように描かれており最後までしっかり読みきれました。

    分からない単語も、地名も、言葉回しも思わず「調べてから読み進めよう」と大切に読み進めたくなる素敵な作品でした。※ちょっぴり誤字脱字が多めなので、チェックファイトー!と思ってしまいましたが…

    ラストはちょっと駆け足かなとは思ったものの
    ふだん自己啓発本・実用書や小説をバリバリ読んでいて、比較的速く読み終わる私でも4時間かかって読み終えたので、とても満足度が高く
    読了後に外へ散歩に出たとき【ちょっと世界の見方が変わった】そんな作品になりました。

    戦争ものって怖い、とかちょっぴり偏見があるとか避けたいとか思っておられる方こそ「騙された」と思って1度読んでみてほしいです。

    私は、電子書籍だけだともったいないから本も手元に置いておこうかと思っています。
    シリーズものらしいのですが、私はこの作品だけでしばらくいいかな、って。それくらい満足度の高い作品でした。

    挿し絵は正直うーん、といった感じでしたが表紙の絵がとても綺麗で、表紙絵だけはめちゃめちゃ好きです!!!

    作家さん、絵師さん、出版社さん、すてきな作品を世へ送り出してくださりありがとうございます!後世に残したいです!