このレビューはネタバレを含みます▼
阿賀野紅茶先生の「正反対の~」が好みだったのと、48話無料に釣られて読み始め、気づけば全話、果ては3周読みふけってしまいました。素敵な群像劇です。
主要人物4人がそれぞれ抱える苦しさの描写の鋭さ。
その時、その状況で、各キャラが持つ情報の違いが生み出すすれ違いの妙と、それを読者にちゃんと伝わるよう工夫。
令和時代のアイテムや感覚が散りばめられつつ、どこか懐かしさを覚える高校生活の様子。
小気味良いユーモアやパロディ。
4人が迎えたハッピーエンドの形……いやぁ、作品としての良いところを挙げだすとキリがないですね。
個人的には「相手にどう思われるか」あることないことを先に想像して身動きが取れなくなって、決して辛い日々じゃないのに、ふと一人になりたくなったり、何もしたくなくなったり……という経験があるので、こゆんちゃんに共感して目が離せなくなったし、幸せになってくれて良かったなと思いました。
大事な人を大切にし、大事だよとちゃんと伝えること。自分のことを大切にしながら、自分を大事な人に開いていくこと。そうして得られる幸せや安心を再確認させてもらえたように思います。
ま!このことを高校時代の自分に伝えられる訳でもなし、我が子に伝えるにもまだまだ早すぎて、この感情のやり場に困ってレビューを書いている訳ですが!!!(低評価レビューのコメントを読んで心のバランスを取らないと息がつまって苦しくなるくらい、良さの濁流に飲まれておりました)
昂りが落ち着いたら、ゆっくり、今、自分は大事な人を大切にできているか、自分の心を素直に開いているか、見直してみたいなと思います。忘れちゃいがちですしね。
ともあれ、阿賀野紅茶先生、素敵な作品をありがとうございました!!「正反対の~」の連載も楽しみにしています!