このレビューはネタバレを含みます▼
3年男子高校生っていうこの場だと多分かなり珍しい立場から書かせてもらいます。
タイトル通り15歳が背負っていい重さを超過してると思った。村瀬の少し変な性癖とかそれで発生したいじめとかこれだけでもかなりきついなーって読んでたけど、淀井の家庭事情もかなりきつい。けど、きついのは分かってるんだけど、母親初登場シーンで家汚いとか男連れ込んでるとかあったのに、息子の怪我の手当のために化粧中断して心配しつつやってるところがよくある「最悪の家庭環境」ではなくて、そこがまた生々しくて綺麗だった。
村瀬がゲイとして淀井をすきだったのかとか、淀井の方は恋愛なのか依存なのか、同情や自己を重ねてなのか、とか色々考察できるけど答えがない、というか答えを委ねられてるところが嬉しく、かつ悲しい。ただ友情恋愛関係なくお互いがお互いの1番の存在だったのは間違いないのかなー。そこがバッドエンド寄りのメリバっぽいとこだなって思った。
淀井の不慮の事故(?)を俺は自死だと考えたんだけど、なんで自死したのかって考えたとき、淀井の依存がいちばんしっくり来た。「引越しって言って悲しむ顔を見たくない」とかそれっぽいこと言ってて、それが本心なのは多分そうなんだけどいちばん嫌だったのは淀井の方だったのでは。依存(好きな)村瀬と離れる事に耐えられないし、淀井はそもそも感傷的で嫌な方に行動力があるタイプだったから、家庭環境とか将来とか、思春期特有の不安とかが全部相まって自死を選んだのではないだろうか、って思った。考察だし深夜に読んだから読み切れてない変な解釈があるかもだけど。
淀井が村瀬に性×渉を提案してそのまま...とかちょっと現実らしくないところもあったけど、BLと言われればそれが普通なのでまあ許容かな。そこがちょっと悩んだ点でもあって、普通の男子高校生から言わせてもらうと依存でそこまでできるか?って疑問になった。だから淀井がほんとに好きなのかなっていう可能性も捨てられない。重要なのに答えがないもどかしさと高揚が同時に来てこれもまた言語化が難しい。
この漫画の主題を考えたら、「対比」と「成熟」かなって思った。
対比は、だめだめの村瀬と普通っぽい淀井の対比から始まって、最後はそれが逆になったみたいに思えて儚かった。伝われ。笑
成熟はもろ村瀬のことね。言わずもがなだけど。
だんだん吃らなくなったのが嬉しかった。