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今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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現代に通じる部分がある2025年3月17日新聞というメディアの役割を改めて捉え直すことのできる作品。
のゆ先生の作品は、前作「赤髪の女商人」もそうだが、「現代・現実世界と遠い時代感」の中に現代に通じる問題を見出し、その問題の社会構造を描写する。しかも、その描写が緻密なのに、物語の中に無理なく織り込まれているので説明臭くない。
「単語で反応する・話を最後まで聞かない」「自分の信じたいことにこじつけてでも繋げようとする」「面白そうな話を真実だと思い込んで噂する」など、客観的事実を広めるメディアが必要になる、現代でもあるあるなもどかしい状況にハラハラさせられるが、主人公と相棒の記者コンビの活躍が軽妙でイライラはしない。リアリティーと娯楽性が両立する時代ものを読んでいる感覚に近い。
なろう的な作品も面白いけど、たまには目先を変えてリアル系ファンタジーを読みたいな、の方におすすめです。 -
お笑い×宇宙×百合2023年8月25日ネタバレなしで言うなら、崖っぷちの芸人が宇宙人を相方にする話です。
より詳しく設定を言うと、SFあるあるの「地球にこっそり侵略?しに来てる宇宙人がいっぱい」の中の一人が、なぜか「笑い」に興味を持ち、ガチガチのお笑い哲学で自分をも追い詰めていた芸人の相方になります。
設定は突飛なのですが、主人公と相方の宇宙人が、最初は「お笑い」への理解度の隔たりのせいで凸凹コンビなのに、だんだん噛み合って「二人のお笑い」になっていく過程が秀逸です。
お笑いと宇宙と価値観と時たま百合が飛び交う、極めてスケールのでかい漫画です。感動と笑いが同時に来るので、情緒が乱されます。
変わった設定が好きな方、「覚悟が決まりまくった主人公」が好きな方におすすめです。