このレビューはネタバレを含みます▼
とても良い漫画だと最後まで感じていた、最後までは。
夫との離婚を考えている専業主婦のあやと
性同一性障害であろうけいとの2人のストーリーで進む話。
けいとの性同一性障害であろうことからの
学生時代のエピソードは胸がキュゥっと締め付けられました。あやは性同一性障害というマイノリティな問題じゃないにしろ、どちらも世間や誰かが決めた幸せの定義に乗っかるのではなく自分らしく生きることが幸せにつながると伝えてくれる。2人の共通点とはそういうことなのだと思ってました。
でも最後の最後にアヤも けいとの恋人と同じく同性愛者だったと本人も50の年齢になって気づいたと描写されます。
そこからえ?2人の共通点ってそこ?と困惑してそのまま終わってしまった。あやが「女性が好き」「自分でもなんで気づかなかったのかな」、という場面で
「みどりさんを好きになったことも」点と点で繋がってたんだっていうけど、え?みどりさんっててっきり男だと思ってたけど違うの!?と。
読み返してみても「男の子たちの中でもみどりさんはかっこよかった」といってるし、おそらく何十年ぶりかで会ったみどりさん、どー見ても男性だし。「一緒の友達って、彼女?」ってあやはみどりさんに聞いてるし、、
私はあやさんの旦那さんとみどりさんを通してみても
本当の愛とは、と投げかけてるのかと思ってました。
もしかしてみどりさんは、アヤさんのことがずっと大切でそれで結婚しなかったのかなと。そうするとみどりさんはずっとずっと深い愛でアヤさんを見つめてる。
結婚相手の旦那さんとみどりさんが対比となって本当の愛とはともそこで考えさせられるのだと思ってました。
でも、女性だった、ってなるとみどりさんのアヤさんへの思いもまた違う話になり、、なんだか学生時代のやり取りから居酒屋で2人で話すくだりやらいろんなことが?となってよくわからなくなったまま話は終わりました。
でも、全体を通してあやさんとけいとの2人のストーリーをもって、本当の幸せや、愛というものを考えさせられ良い漫画だと思いました。
あやは最後離婚を決意し決行できますが「涼が一番大事だよ」という言葉。そう、この人生も決して悪いものでも間違いでもないんだな。同性愛を早くから貫いたけいととはるかに子供はできないだろうけど、アヤはできてるわけで。そういった描写も良かったです。