このレビューはネタバレを含みます▼
初めてこの方の作品を拝見させていただいたのですが、なぜもっと早く出会わなかったのかと後悔するほど刺さりました。正直、表紙の暖かい色使いや、繊細なタッチに惹かれて雰囲気買いしてしまったのですが、寿々木君の優しさに癒されすぎたし、辛い過去も含めてお話に引き込まれました。
逞しい顔と体つきで家庭的趣味がある寿々木君のギャップがとても好みです。今まで意識したことはなかったのに、自分癖かと思うほど。逆に可愛らしい見た目に反し柔道をやっていて強く男らしい性格の春名君も、違ったギャップ感じられて楽しいです。キャラクターそれぞれに人間味があってすごく魅力的です。寿々木家の人も温かく、妹ちゃんはお兄ちゃん大好きで可愛いし、お母さんは息子の好きなことを否定せず、好きなようにやりな〜と寄り添ってくれる感じで、あまりの優しさにこちらが泣いてしまいました。
桜子先生のことが気になっている寿々木君ですが、持ち前の思いやりで素の桜子先生を包み込んであげそうだな〜と、恋愛展開もなんだかほわほわした気分で読んでいました。
また、違う話ですが、クラスメイトが寿々木君の趣味をすんなり受け入れ、お母さん的存在として溶け込んでいる感じがものすごく良い。みんなでずっと平和に過ごしてほしい。少し出てきた中学時代のいじめっ子、何か企んでいそうで怖いですが、認めてくれる人ができた今、乗り越えて幸せになってほしいな...。