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今月(10月1日~10月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 飢えた獣の手懐け方(フルカラー)

    海野真

    ずっと読んでいたかった!
    ネタバレ
    2025年9月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 完結まで読み切ることができて感無量です!できればもう100話書いて欲しいくらい大好きです!

    物語の設定が「吸血鬼」とその「食糧」として共に永遠を生きる人間というファンタジー要素強めな作品で、一瞬難しいお話かと思いましたが、話の展開も分かりやすく絵も繊細で綺麗でとても読みやすかったです!弘樹がとにかく秘密主義で大事な隆文を守ろうと重要な局面から遠ざけようとする姿勢に隆文はもどかしさを覚えて苦しむという相思相愛であるが故のすれ違いが読んでいてたまりません。吸血鬼の純血を重んじる弘樹の父親とその絶大な権力を前に憎しみを抱きつつも従うしかなかった他の吸血鬼という構図も非常に興味深く、その構図をひっくり返そうと行動を起こしていくうちにいつのまにか隆文がその中心にいることが隆文の素晴らしい人間性を表していると思います。

    作中では弘樹と隆文、エリアンと祐介、エドワードと朔社長の計3カップルが主でしたが、それぞれのお互いに対する想いや向き合い方、経緯などが全て違っていて、築き上げた関係性は誰にも壊せやしないんだと感じました。個人的にはエリアン祐介のカプが非常に魅惑的で強く惹かれましたが、エリアンのことは私も永遠に許すことはできないと思い、少し複雑です。弘樹隆文のカプは終始笑みが堪えきれないほど尊い!しかありません!エドワードと朔社長のカプは今まで辛い思いをし続けた分、これからは2人きりの時間を存分に謳歌してほしいかぎりです!

    他の方のレビューにもありましたが、このお話の根底にはエドワードがエリアンの支配から逃れるためにシステムの瓦解と改革を成し遂げようとしたのきっかけとなって展開していきます。とはいえ、隆文を何度も窮地に追い込むような行動をしたのは納得できませんが。システムを変え、統治体制も変わった今、自分の食糧を人質にされる心配がなくなったエドワードが55話でエリアンに別れを告げたシーンでは思わずページをめくる手は止まり呼吸することも忘れてしまうくらい感慨深く、「やっとここまで来たんだ」と涙が込み上げてきました。

    本当に構成がきちんと練られていて、それぞれの登場人物の感情の移り変わりや知らない感情を知ったときの反応、そして大切な人を思う気持ちの描き方が海野先生は上手だなと思いました。このような作品に出会うことができてよかったです!海野先生をこれからもずっと応援し続けます!