えりやさん

始終爽やか。
無理なく最初から最後まですっと読める作品でした。
エロは全くと言って良いほどありませんが、無いのが逆に良かったです。

個人的に、久々のヒット作でした。

バイオリン職人の卵であるデータと、世間知らずなバイオリン弾きルースのお話です。

ふとしたきっかけで出会ったことで、二人を取り囲む環境(特にルースの)は目まぐるしく変わっていき、彼等(特にルース)に様々な葛藤を抱かせます。
そんな彼等の成長と友情、人々の愛情を、ものすごく爽やかに描いた作品です。
読みながら、常に夏の涼しい風を感じている気分でした。

かなり人を選ぶ作品です。

キラキラ美少年達のシリアスものが好きな人…もっと端的に言えば「普通」しか受け付けない人には絶対にオススメしません。
逆に「美少年達の普通のシリアスは飽きた」「またこの展開か…」くらいの領域に達した人には、試してみてはいかがでしょう？と言ってみます。


一般的なBLとは別なベクトルでリリカルな表現の作品…と言われて何となくどんなものか理解できる方なら、それなりに楽しめるのではないかと。

とりあえずこの作品のテーマは「変態性欲」なんじゃないかと思いますので、それを聞いて嫌な予感がした人は読まないのが吉です。

ギャグ的な意味でも私は楽しめたので、それなりの評価にしています。