きつねさん

読み始めはノアがかなり幼く感じられて好きになれるか不安だったけれど、思考や精神面は年相応だったし媚びた様子のない真っ直ぐさが読み終える頃には愛しく思えるようになった。
ノアの境遇や決意などの様々な心情、領地の未来を背負うなどなど、かなり重たいものが描かれているはずなのに、全体的にとぼけたような描写で軽やかに描かれているのが心地よかった。
きらきらと星降る夜空のおとぎ話。きっといつかまた読み返したくなる、そんな作品。

主人公は泣き虫だけどけしてナヨナヨしているわけではないのがいい。そして泣き顔が本当に可愛くて色気があるので攻めくんに共感しまくった。
2人の気持ちの変化が丁寧でわかりやすく、変に拗れすぎたりしないので快い。クラスメイト達との交流もあり2人きりの閉じられた世界になっていないところも良かった。濡れ場はあっさり目だけど愛が感じられてきゅんきゅんした。

つい絆されてしまうエルダ可愛い。いつも一生懸命に駆け回っていて好感が持てる。ダリウスがエルダと出会うことで変わっていくのも良い。少しずつスパダリ感出てきて今後が楽しみ。健気な2人を見ていると元気になれる。

可愛い絵柄でテンポも良く読みやすい。全体的にコメディタッチだけど葛藤も丁寧に描写されていて緩急がある。重くもなく軽すぎることもない。楽しく読める良い作品に出会えて嬉しい。

1巻では無自覚に誑し込むアルフレッドと、真っ直ぐに慕ってくる愛らしい後輩ギルバートが、付き合っていないにもかかわらず甘〜い雰囲気を醸し出す様子を堪能できる。甘いばかりでなく笑えるシーンも沢山あり退屈しない。

主人公アルフレッドの鷹揚で朗らかな性質が感じられるような、柔らかい雰囲気が心地良いコミカライズ。表情による表現の幅が広く、感情が繊細に描写されていてふとした瞬間がとてもセクシー。この作風を保ったまま、光の激甘ルートを突き進んで行ってくれることを期待している。

ここで言っても意味がないかもしれないけれど…紙媒体だと表紙がエンボス地で高級感があり、素敵な表紙イラストがさらにお洒落になるので紙もオススメしたい。

作画が美しく、漫画も上手で勢いがある。意志の強い眼が綺麗で好きだな。
ヒロインが腹据えて逆境に立ち向かうのがいい。それでいて内心びびってたりして可愛げもあって、応援したくなる。
まだタイトルの『恋』まで至っていないけれど今後どうなるのか未知数で楽しみ。