かんなさん

久しぶりに少女漫画を読みました。異世界転生＋悪役令嬢という設定にとても惹かれます。素敵な文化の誕生に感謝すらしました。ありがとう。作品の恋愛ゲーム本編からずれた時に生じる〝なにか〟、その何かがどうなるかわからずああだこうだ考えながら読み進めるのはとても楽しく、どきどきします。絵のタッチもやわらかで、繊細な描き込みや表情の美しさが好きです。喜怒哀楽の高まった表情すべて好きですが、照れ顔が特に好きですかわいすぎます。キャラクターデザインの対比も好きです。正規のヒロインであるアカリが黒髪ロングなのもとても美しい形式美…ありがとうございます。アカリは一見おばかで考えなしに見えますし、キャラクターをキャラクターとしか見ておらず血の通ったひととは思わないひとでなしに思われるかもしれません。たた、恋愛ゲームを愛し、そのストーリーをすべてくまなくクリアし、キャラクターをひとりひとりに愛を持って接していたのが見えて嫌いになれず、その塩梅がすごいなと思いました。セリフのタイミングがおかしいのは彼をキャラクターとしかみていない酷い部分ですが、セリフを間違わず言い切れるのは作品を愛したひとだからだと思うとアカリのいとおしい性質だなとも思います。ティアラはゲームはゲームとして、しかし目の前にいる人を人して感じることができるひとで、だからこそ最悪の結果はもたらされずきっとハッピーエンドになる！と思えるのでこの物語を安心して胸キュンしながら見守れています。照れ顔がかわいすぎる。一番人間らしいひとであるからこそ次のことに不安になってしまうところも人間味があって、恋をして愛を育んでいるから思い悩むところがあって可愛らしいです。ティアラは今彼にとてものめり込んでいて前後不覚で、感情と戦ってる。すごく応援したい。「シナリオがどうあれ彼はどんな人とでもそうなる可能性がある」「それは美人かもしれないし、世間一般でいうところの器量の悪い人かもしれない、王族かもしれなければ、平民かもしれない」「きみは〝他の誰か〟ばかりに目を向けてはいけない。それでないがしろにされるのは彼への愛情だ」と伝えたい。ひとらしい彼女だから、思い悩む姿もあいらしい。早くその霧のような不安がなくなることを祈る。ひとりひとりに愛情があるこの作品だからこそ、男性諸君も女性諸君もみんなが幸せになりますように。これからも楽しみにしています。