このレビューはネタバレを含みます▼
森永みるく先生のボーイッシュ女子とガーリッシュ女子の百合漫画を初めて読みました!
美羽も藤原さんもとっても可愛くて素敵なキャラクターで、周りにいる香ちゃん・ヒロ先輩・映研同級生たちもみんないい子たちなのでほっこり癒されました!
キャラクターみんな感情豊かで表情がころころ変わるのでとても魅力的かつ、テンポが非常に良く読んでいて楽しいです。
日常的な風景が流れつつも、関係性は丁寧に描かれており、リアルな人間ドラマが展開されていくのでいつもページをめくる手が止まりません。
そんな感想を書きつつ、繰り返し読むうちに妄想が止まらなくなったので以下にて書き留めておきます。
この作品を読んでるうち、これは「現代の白雪姫なのだな」と思い至りました。
作中に繰り返し出てくる「お姫様」というフレーズ、鏡、りんご、肌の色、キスで目を覚ます女の子から、白雪姫モチーフであることは明らかで、美羽は「早々に愛する人(王子様)と結婚し、専業主婦になることを夢見る、古典的な(本作中でも「古い考え」としている)お姫様」像を模したキャラクターです。
一方、美羽は自身を「嘘つきで最低な魔女」とも表現しています。
恐らく、美羽は古典的なお姫様=かつてのお姫様=白雪姫作中の妃=魔女なのではないかと思います。
よく鏡を眺めているところ、若さや外観にこだわるところも特徴として似ています。
そして藤原さんは、美羽とは対照的に、恵まれた容姿を持つにも関わらず外観にはこだわらず、天真爛漫に我が道をいくキャラクターです。
雪のように真っ白な肌どころか、日焼けまでしちゃってるレベルです。
家族から離れ、小人たち(メイドたち)に囲まれ自由に生きる現代の白雪姫は、きっと藤原さんのようなお姫様になるのでしょう。
そして、現代の白雪姫は魔女でさえ恋するお姫様に変えてしまうほど魅力的で強いのです。
あえてもう一度言います。本作は、「かつてのお姫様だった魔女と現代のお姫様が恋に落ちる様を描いた、現代版白雪姫」なのだと。