このレビューはネタバレを含みます▼
テレビで原作者さんが出演ついでに紹介していたのを偶然見て、こういう方が書く男性同士の小説ってどうなんだろう?と興味を持って読んでみたのですが、読みやすい文章と優しい空気感に一気読みしました。
主人公ヤマトと偶然出会った元芸能人の港さんは其々に自分にとって深刻な悩みを抱えて生き辛そうだけど、ピースが合うように補っていく二人の関係が焦ったくも心地良い。親友と分かり合えなかったり、少し関わっただけの人と思いの外理解が深まったり、周囲の人への見方や立場が変われば受け入れる事ができたりと誰かと関わる優しさや、そこから得られる幸せをそっと描くお話でした。
以下ややネタバレ。
相手がゲイだと分かっていても自信は男に興味もなく恋愛感情を持たなかった主人公が同性に惹かれていく描写が丁寧に書かれていて、ついに身体の関係を願う心の変化も自然で恋愛小説としてキュンと来るものがありました。
それから主人公が料理を作るシーンが多いのですが手際が良くてちゃんと美味しそうなんです。空腹時に読まない事をおすすめします。