このレビューはネタバレを含みます▼
以前からSNSで名前を見かけており、単行本2巻が発売されたタイミングで購入しました。
結論として、「なぜもっと早くに出会わなかったのか」と後悔するほど自分に深く刺さる作品でした。あまりにも刺さった感動で、人生で初めてレビューを書きます。
作者の方がくっつくところまで話はできてると明言されているのでちゃんとくっつくはずです。ただ単行本2巻段階ではまだくっつきません。
しかし、東さんとのぞみくんが少しずつ距離を縮め、お互いの心の深い部分を知り、それに触れて抱きしめていく過程を丁寧に描いているので、未完結でも余韻に浸れて満足感が高かったです。
最近はのぞみくんも少しずつ出来るようになってきていますが、最初は「自分や相手を大事にすること」「自分や相手と誠実に向き合うこと」は東さんだけが完璧にできているように見えます。しかし自分の心の優先度を下げて傷や悲しみを蔑ろにしてしまっているという点では、実は似た者同士だと思います。
しかし東さんはのぞみくんの、のぞみくんは東さんの傷と危うさから目を背けずにはいられない。そこに絶妙でもどかしい「旨味」があります。のぞみくんの成長に引き寄せられるように、東さんにもやがて変化が訪れます。
「世界にとって自分はこういう存在なんだ」という絶望と、「あなたのためにできることをしたい」という献身と、「でも自分にはこれしかできない」という葛藤が垣間見える台詞やモノローグの言葉選びが精巧かつ切実で、心に染みるシーンがたくさんあります。
読者である自分も、何度も「どうして無性に泣きたくなるんだろう」という気持ちになりました。
現時点で既に、東さんにのぞみくんが、のぞみくんに東さんがいてくれてよかったという気持ちしかないのですが、これからの二人にもとてもとても期待していますし、応援しています。