このレビューはネタバレを含みます▼
皆さまと同じく、単行本からの単話購読沼落ち組です。コミック誌掲載後にシーモアに新刊出るまでも時間あるのがしんどいです。現在16話。
単話の誌面の端にある編集者のコメントがヒントになることありますよね。10話の「『空港まで来た奴』に振り回される」って!初めて読んだときは恥ずかしながらピンと来ていなかった。単行本とその続きを読み直す中で、そうだった!狂児は空港まで来た奴だった!とハッとした。ということは狂児、聡実のこと「めっっっっっっっちゃくちゃ好き」じゃん。この女友達の言葉によっていちご侍の解散も知ることになるし、星先生の世界線とも繋がっていることをゆるく伝えてくれる。どの登場人物も重要人物すぎる。
登場人物が繋がりまくっていて、回を追うごとに人物たちを囲う円が狭く狭く、縮まっていく。
オトコのクンショウの作者はすでに狂児と聡実と面識があり、しかもマサノリの元アシスタントだし。現アシスタントとライターの岡田も繋がっているし。マサノリって、担当の鈴木さんと電話するとき敬語だったのが、対面だとアシスタントや狂児と話すときのようにくだけてる。時を経て親密になったのか?あと、マサノリが標準語なのは、故郷を捨てたから?
地元から離れた聡実、大学でもバイト先でも名字で呼ばれているから、狂児しか「聡実くん」と呼ぶ人がいなくて、とてもよい。
単話の表紙、向かい合ってお互いの目を見ているのがめちゃくちゃよくて、毎回同じ絵なのにまったく飽きない。モーニング食べに行くときの「はよ行こ」って聡実が先を歩くときの狂児の表情とか、焼肉のあと、エレベーター内で狂児の背中を見ているっぽい聡実の顔、切なくてつらい。二人が一緒にいるときの互いには見えない表情を見ることができるのは私たち読者だけ。和山先生が漫画に描いてくれたことへの感謝しかありません。いつか横に並んで顔を見合わせながら歩ける日が来てほしい。