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今月(5月1日~5月31日)
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シーモア島


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実話怪談レジェンドの奇跡な融合2024年8月6日本書の加藤一氏の後書に詳しく書かれている話だが。30年前に新耳袋が扶桑社から発刊されて、耳袋の怪異体験者の体験談を取材して記述するというスタイルに影響を受けて、超怖い話が慧文社から発刊されたという経緯がある。実話怪談は新耳袋と超怖い話の発刊から始まった。
現在のYouTubeで気軽に実話怪談を楽しんでいる若い方々は知らないかもしれないが、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)オカルト板では新耳袋派と超怖い話派に分かれて、どっちの方が怖いのかと論争になっていた時代もある。新耳袋著者と超怖い話著者は仲がよかったそうだが。
ただし新耳袋はひたすら日常に潜む怪異を余計な部分を削ぎ落とした文体で記述するのに対し、超怖い話は体験者の声を挟みながら新耳が扱わないヒトコワと怨念に関わる領域(ガチ怖)に踏み込んでいて、綺麗に実話怪談のスタイルが分かれていた。コレがネットでどちらが怖いか論争を生み出す原因になっていました。
そんな実話怪談黎明期の『絶対に新耳袋と超怖い話は交わらない。』というファンの声を打ち破ったのが「超怖い話✖️中山市朗』なのです。スタイルが違う実話怪談が1冊の本で読めるのだから、これが面白くないわけがない。本書は中山市朗氏の日常実話怪談に唸らされた後に、深澤夜氏と松村進吉氏のガチ怖実話怪談に震えるという一粒で二度美味しい内容になっております。本書を読んだ後に、世の中には様々な怪異に満ちているという読後感が味わえるかと思います。
映画界ではキングコングとゴジラという怪獣王同士がバディを組むシリーズが続いているのですから、超怖い話と新耳袋の奇跡的な融合も一度限りで終わらせないで続いて欲しいですね。いいね
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不動産怪談漫画では面白かった。2024年4月7日語り手のぺみさんは建築デザイン事務所を経営されている『視える人』なのですが、自分が扱った瑕疵物件の怪異でも合理的に説明がつく部分はきちんと霊障と分けて語っているのが好感が持てる。もちろん説明がつかない怪異は怪異として語っています(僕は漫画のオーブの部分は埃の可能性はないのか?と思ったけど。)
語り手が経営する事務所の顧問弁護士による瑕疵物件に関する法律講座があるのも勉強になりました。
個人的にポイントが高いのは、第一話が湿地帯で井戸がある中古物件であるのを知らずに買った施工主とのペみさんとの法律トラブルの話。実話怪談ファンの僕からすると井戸は水神様や精霊が宿る場所なので、そういう土地に中古物件をリフォームしたり、家を新築したりする時は丁寧にお祓いをして扱わないといけない。井戸がある土地でいい加減な扱いをしたばかりに怪異や不幸が相次いだ話は沢山聞いたり読んだりしている。本書の井戸の話も井戸怪談のテンプレ通りになっていて、ぺみさんも不動産や土建の世界で生きていて『井戸の障り』を聞いたりしないのかな?とは思いました。科学的にも、井戸がある土地は水脈はあるし、湿地帯なら尚更軟弱地盤だし、カビも発生しやすいので『よくない土地』になるのですが。
2話目の中古マンション物件の話も、一応施工主も独居老人が部屋で亡くなった瑕疵物件であるのを知っていてリフォームして住んだら怪異が発生したが、その怪異の正体が...と推理小説的な展開になるのが面白かった。
不動産に関わる実話怪談が好きな方々にお勧めします。いいね
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