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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • おねがいヒーロー涙をみせて【電子限定描き下ろし付き】

    早寝電灯

    早寝電灯先生の最高傑作のひとつ
    ネタバレ
    2024年7月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ あまりにもあまりにもよくて、もうたまらなくて、初めてレビューを書きます。

    冒頭で読者が知るふたりの距離感、シノはそれを壊したく、ユキは守りたかった距離。読者としては最初その距離がもどかしく、でもその距離がユキの心を守っていたことが物語の中でわかっていき、もうなんか、なんかもう…涙がぼろぼろ出てしまって止まらない。漫画が本当にうまい…

    描かれていることの全てに意味があり、物語の中で縦横無尽にその意味が結ばれて繋がっていく。その度にああこれが!となり、それはひとつひとつささやかな、でも確かな灯りを増やしていくようで。それが最後にタイトルにまで繋って、眩しいくらい明るい場所を見渡しているような気持ちになるの、あまりにも美しすぎる…

    そのままにしたくても全ては変わっていくなら、と、踏み込んだシノに、私まで感謝したい。
    距離感の取り方にはすこしひっかかるけど表面的にはおかしく見えないユキが、その実、絡まった糸の中で動けなくなっていて、踏み込んで来てくれたシノのおかげで少しずつ動けるようになる、そこにあるリアルさもすごい。
    頑なに見えたユキはユキで、自分を必死に守ってた。
    きっと早すぎても遅すぎてもダメだった。シノはなんでもっと早く、と自分に怒るかもしれないけれど、ここがベストタイミングだった。
    ふたりともがんばったね…ほんとに。

    シノが一貫して持つユキが好きだという気持ちが揺るぎない色合いなのに対して、ユキがもってたシノへの想いも、グラデーションやマーブルのように見えて実は全て好きの色合いだったと、読み終わるとわかるのもすごい。(伝われ)

    最後まで、お互いを想う気持ちに満ちている作品でした。大好きです。
    なんかもうすごいしか言えないと思ってたのに、書いたら長くなった。

    早寝電灯先生の作品は全部大好きです。すべてに、唯一無二の物語と、風が吹き抜けるような心地よさと、詩的な美しさがあるから。
    その作品群の中でも今作は、心を掴んで離さない最高傑作のひとつだと思う。