このレビューはネタバレを含みます▼
漫画の広告から知り、続きが気になったのでこちらを購入、最初はよくある愛情深い故の〜〜〜系かと思ってたけど、アデルが思いのほかあっさり転生して、どんどん場面が進んで行くので物語に入り込みやすく、とても読みやすかった。
叙述トリックというか、アデルの嫌悪感や憎悪、恐怖なんかを感情移入?没入?してこの人はこうだったんだ…と思わされてからの、2巻中盤〜でアデルと同じタイミングでえぇっ!?と驚いたりしていたのに、真相がどんどん分かっていく段階で突然読者としての俯瞰的な視点で読めるようになって、言及されてはないけど、やっぱりここはこうなんじゃないか!?という考察や発見もできるようになったのが、2度美味しい的な感じで満足度が高い。
よくある小さな悪意が、とんでもない事を巻き起こしてしまった物語だったけど、主だった人たちが幸せに生きていきそうな終わり方で本当に良かった。
呪いともとれる自分の名前を取り戻す条件、その後の展開で頭の隅に追いやられていたけど、心が通じあったと分かるように物語に絡めるのが本当に綺麗すぎて、エピローグの最後の最後で堪えきれずボロボロ泣いた。
これから今までの何十倍、何百倍の時間を、お互いの名前を呼びあって、手を繋いだり、木陰で膝枕なんかして2人だけの時間を過ごしたり、これまで以上に幸せに生きていくんだなって思い描けるぐらい綺麗なエピローグだった。
最後まで読んだ後に1巻2巻の表紙を見比べて、また堪えきれず泣いて、本当に素晴らしい話だった。
2巻完結で、無駄なところも物足りなさもなくて読みやすい、記憶を消して最初から読みたいと思ったのは初めて。
これから、オススメある?って聞かれたら一番にこの作品を挙げようと思います。
素晴らしい作品に出逢えたことに感謝します。ありがとうございました。