このレビューはネタバレを含みます▼
悪役令嬢としての破滅の未来をわかっていながらそれを回避しようとせず、ひたすら一流の悪役令嬢となるべく真摯な努力を重ねるバーティア。悪を目指すも、生来の人の良さと結果的にほっこりをもたらすおバカ+パワフル言動の数々で、ことごとく真逆の結果になってます。ティアの行動は口では何と言っても、いつも自分より皆の為だから、周りの人々も彼女を支え力になってくれるんですね。バーティアの明るくて真っ直ぐな心のエネルギー(多量のお笑い込)が、セシル様の心の空洞を埋めることができたんだと思います。そんな二人の歩みに笑ったり、感動したりのお話でした。が、思い返して一番に浮かぶのはバーティアのお父様!政治の世界では宰相の地位にあり、国王とも親しい名門貴族。風貌も悪役令嬢の父に相応しいオールバックなボスキャラ風なのに、とにかく笑える。相手が王家であろうとツッコミをかましたり、ナチュラルに不遜な言動を連発。娘の破天荒さに気をもみまくりの日常ですが(下手すりゃ政治より?)、いやお父様もなかなかのもんです。でもすごく娘思いの良いお父さん。娘のピンチにはなりふりかまわず行動し、かわいい娘を奪っていく憎きヤローにはボスならぬ魔王感出してきます。そんなお父様が二人の結婚式で思い返す過去のシーン。泣きそうになります。まさかお父様にやられるとは。何かもうお父様が出てくるだけで、ワクワクしました!