初恋狂い 弟だと思ってた幼なじみに激重感情を(※カラダで)浴びせられてます(分冊版)
夏生ツナオ
このレビューはネタバレを含みます▼
11話について。
彼氏のいる人にクリスマスに会おうとするなんて、無遠慮だし、想像力が無さすぎる。自分のために予定を空けてくれた相手を「あほ」と罵り、自分との約束よりも彼氏との約束を優先させないことを情熱が足りない、と説教するなんて、頭がおかしいとしか言えない。そして、友人の理不尽で自己中心的な言動を指摘するどころか感謝をしている主人公にも「考える力のない馬鹿なのか」と苛立ちを覚えるため、その後のストーリーに感情移入が全くできない。ある程度ストーリーを進めるための都合のいい展開は必要で、それを読者が納得できるようなバランスに調整することは難しいとは思うが、コレは破綻しすぎている。グッとくるTL作品の特徴は、ただエッチシーンを官能的に描くだけでなく、登場人物が現実社会を生きる私たちにも響くような人間性を持ち合わせていることや、背中を押すような展開であることなのに。あまりにも幼稚な展開だと、「馬鹿な女が勝手に一喜一憂している」としか思えず、他人事としてしか物語を見られなくなる。これまで楽しく読んでいただけに、非常に残念な展開だった。