どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます 【連載版】
セレン/碧貴子/すらだまみ
このレビューはネタバレを含みます▼
ストーリーが分かりやすく、何故主人公の2人がこんなにもすれ違ってしまったのかが後に分かりやすく描かれていてとても読みやすかったですし、何より登場人物たちの表情が場面場面で繊細に描かれている所が本当に良かったです。特に絶望顔はどれほど傷ついているかが伝わってくる、感情移入し自分もショックを受けてしまう、それくらい迫力のある表情でした。
6歳ながらに好きな子を虐めたいという少年心がリュシーの中にあったのも後に描かれていましたが、駆け引きが上手く出来ず空回りしてる不器用な彼がとても可愛らしいなと思いました。
何度も彼に振り回されながらも一途に思い、接し続けたアニエス、こんなに尽くしたにも関わらず、最終的に婚約破棄を告げられ、彼女の気持ちを考えたら心が壊れてしまうのは当然だと思いましたし、とても読んでいて苦しかったです。それでも心の中で彼の気持ちに期待してしまい、嫌いになりきれず、そんな自分を攻めてしまう彼女が本当に尊かったです。
2人がすれ違う度にモヤモヤする部分もありましたが、お互いがどんな想いでこんな関係性になってしまったのか、それぞれの目線で幼少期のストーリーが描かれており、その都度取った行動に理解と共感する事ができました。長年お互いの気持ちを理解し合えず、すれ違ってしまってたこれまでの分まで、これから2人が支え合って幸せに暮らしていることを願います。
この短さの中で完結しているのも読みやすかったですし、今後も何度も読み直させて頂くと思います。最後まで夢中になって読ませて頂きました。素敵な作品をありがとうございました☺︎︎︎︎
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