恋愛体質 恋を知らない僕が君を愛するまで【単行本版】
近藤旭
このレビューはネタバレを含みます▼
普段レビューしませんが、もっと知られてほしい作品だと思ったので拙い文章ですが投稿します。
過去のトラウマから恋から遠ざかり人と深く関わることを諦めていた攻めと、表面的にでも人に愛されていたい不安から盲目的な恋に振り回される受けのお話です。
恋を知らなかった攻めが、受けに「愛しい」という感情を与えられ、変えられ、今度は歪んだ恋に突き進む受けを傷つきながらも何度も勇気を出して変えていく姿に胸を打たれました。恋を教え、教えられ、本当の愛を知っていく2人の姿がたまらなく良かったです。薄い言葉ですが、愛のパワーを思い知りました。
攻めには「無償の愛を注ぎたくなるほどに大切な存在ができてよかったね」と、受けには「自分を大切にしてくれる存在に出会えて、自分を大切にできるようになってよかったね」と声をかけたくなりました。
1巻は嘔吐描写があるので読む人は選びますが、一貫して丁寧でリアルな心理描写に引き込まれます。絵も綺麗で、表情にグッときます。
愛憎渦巻く感情にこちらまで苦しい思いもしましたが、最後の2人の笑顔を見て見届けられて良かった、3巻まで読む価値があったと思いました。
同人誌も購入したので、そちらも読むのを楽しみにしています。