このレビューはネタバレを含みます▼
明日こそ、こいつに告白する。と決意した2月12日を何度も繰り返す主人公。読み始めは愛之助と一緒に「日部とエッチしちゃった♡」ムフフな気持ちで読み進めていましたが、話が進むごとにムフフどころではなくなっていきました。このループから抜け出すために模索する愛之助がたどり着いた答えが「親友はエッチなんかしない」だからやり直しをさせられる。愛之助の考えになるほどなと思いましたが、日部はなかなか強い攻めですね。日部とのムフフを回避すればこのループを終わらせられる!と決意した次のページでしっかりとヤられる愛之助が最高でした。
何度目かのループで先手必勝で教室から出て行こうとする愛之助。その愛之助を必死で止めようとする日部の行動の意味や気持ちが、この話を初めて読んだ時と一度読み終わってから見るのとでは受け取り方が全然違う物になります。どうして日部が最初からそんな顔をするのか…再読2周目以降はこの辺りからすでに涙が止まらなくなります。
ようやくループから抜け出せそうになったところで重大な事に気がついてしまう日部。なかなか思うように話が進まない回があることで、この話全体の読み応えや深みを感じました。この強烈なループを繰り返しているのは日部の歪んだ祈りが原因だったと判明して祈りを訂正する愛之助。こいつに告白すると愛之助が決意した何度目かの2月12時でようやくちゃんと日部に想いを伝えられて本当に心からホッしました。
親友だった2人、だからそれ以上「愛」は必要なかったと愛之助の名前を呼べなかった日部がちゃんと「愛之助」と呼べるようになったことに2人の関係の変化したんだな…ととても温かい気持ちになりました。
一生じゃ足りない「なにがあってもずっと一緒にいられますように」愛之助が神社に祈ったこの願いが永遠に続くループを作り出していたのだと分かった瞬間の爽快感が凄まじかったです。2人の祈りをちゃんと聞き届ける神社の神様がとても器用です。
カバー裏で2人が再び出会い、再びループが始まったところまで見届けることができて本当に良かったです。幸せそうな愛之助の表情と愛おしい愛之助に手を伸ばす愛都。しっかりと手を握り合う2人が愛おしい作品です。そして私もまた繰り返し読んでしまうループの始まりに戻ります。