白石クッキーさん

原作者の英田サキ先生が亡くなられたので、未完のまま2巻で完結となっています。

2巻にはラストまでの草案が掲載されています。それも未完なので、謎のままな部分もあります。
最後まで漫画で読みたかった…！！と、もし叶うならどうにか漫画を描いていただけないか！？と、願ってやまないです。
西本先生の美麗な作画でラストシーンを見たい。

が、英田先生がいらっしゃらないとどうしても難しい部分があるのでしょう。
編集さま、西本先生。草案やキャラクターラフなどの制作過程を見せてくださり、ありがとうございました。

英田サキ先生。素晴らしい作品を残してくださり、ありがとうございました。ご冥福を心よりお祈りいたします。

（おそらく）永遠に未完の作品ですが、それを踏まえても読む価値があると思います。本当にストーリーが面白く、キャラクターが魅力的で、作画が美しい、素晴らしいミステリーBLです。

気持ちだけなら星５を付けたい。長期連載（ブルー・ド・ロワ）終了後すぐに新作を描いてくださって、先生には感謝しかないです。
ですが…あえて辛口でレビューさせてください。新しく天禅作品を読む方に、これが天禅桃子ワールドなんだと思って欲しくない。

以下はいちファンの勝手な考えです。

天禅先生の作品の素晴らしいところはドラマチックな展開だと思うのです。誤解を恐れずに言えば「クサイ」台詞やモノローグ、表情、動作。
普通の展開でも有無を言わさぬクサイ演出で天禅ワールドを作り出していて、私はそれが魅力だと思っています。
ですがこの作品はあまりにもそれが無かった…！！
ただカッコイイ攻めとカワイイ受けが体を重ねて思いを確認し合う話になってしまっているのでは…？
同じ設定でも天禅先生にしか描けない世界観があるのに、その要素が無さすぎました。

天禅先生に興味を持ってくれた方は、これだけじゃなく他の作品も読んで欲しいです。
drapさんなら直近の連載「ブルー・ド・ロワ」「オルタナティブ」ちょっと前だけど「wonderful　days?」「花ヶ谷営業所のカレ」（←評判イマイチだけど天禅ワールド全開だと思う、私は好き）
他出版社になりますが「フラッター」「He　is　beautiful.」「ドッガール」「無防備、衝動、あるいは初恋」（←天禅作品では一番えっちかも？私は好き）などなど。

どの作品も平和で優しい世界観です。あまり山あり谷ありはしません。でもそれが天禅マジックにかかると、不思議な非現実感でキュンキュンするのです。

そして人物も背景もオシャレで描線も綺麗。それは今回の作品も健在でした。
だけどあまりにも勿体ない…！と伝えたくて、初レビューをいたしました。