このレビューはネタバレを含みます▼
事件の真相自体は複雑そうに見えて意外と簡潔でした。頭を使わなくてもしっかり読んでいれば理解できる内容だと思います。予想外の展開というかんじでもなく、話が進むにつれてああ、やっぱりなぁという感想です。
それより、私が読み始めてから最後までずっと気になっていたのは"諸戸さんの蓑浦君への恋はどんな結末を迎えるのか!?"です。
ハッピーエンドなんてありえないのはわかっていましたが、どんなかたちであろうと少しでも報われてくれたら…と思っていました。
しかし結局彼の思いは一度も受け入れられることのないまま、病死だなんて…あまりに不憫すぎました。
息を引き取る瞬間まで蓑浦君からの手紙を胸に抱き、名前を呼び続けるほど愛していたなんて、辛すぎる…泣
主人公の蓑浦君は色んな場面で諸戸さんに思わせぶりな態度をとりつつ、実際に迫られたら絶対に受け入れはしないというなかなかの小悪魔ぶりで、なんだかな〜〜
諸戸さんが女性をどうしても愛せないように、蓑浦君も同性である諸戸さんを愛せないのは理解できるし、どうしようもないことですが、それならば中途半端な態度をとらずしっかりと突き放してあげてほしかった…
彼は別の女性と幸せになれたけど、素直に喜べませんでした。
読後感はスッキリしないというかむしろ軽く鬱になりましたが、絵柄も綺麗で読んで損はなかったです。