このレビューはネタバレを含みます▼
小冊子まで拝読させていただきました。まず絵は整っていると思いました。タイピンやシャツからのぞく腕時計まで描き込まれていますし、首や肩から腰までのラインが洗練されていて綺麗だと思いました。背景や小物もきちんと描かれていて、文字は多めですが読みやすいです。意外と剣崎のようなタイプが攻めなのは珍しいので、独自性があって良いと思いました。行為の描写もそんなにキツくない感じですね。
お話についてですが「真中のこと可愛くてもっと知りたくなった」と後々理由は分かるのですが、それでも１話目でナニをしごく場面は突然感が否めません。上司と部下としての関係性は比較的丁寧に描かれているのに対して、恋愛的には薄味で描かれているように感じました。剣崎が女性に抱きつかれているのを見る・距離を置く・剣崎に告白される・好意を自覚する、この流れもテンポが早いです。ふたりは恐らく異性愛者だと思いますが、お互いどのタイミングでなぜ好きになったのかいまいち要領を得ませんでした。BLにしてはページ数は多めだったのですが、オフィスでの関係性が丁寧に描かれていたので、恋愛関係もとなると駆け足になってしまったのかなと。最後「ベッドが届いたら抱く」で終わってしまったのも、不完全燃焼というか突然終わった感じがあります。しかし細かいことを気にしなければ楽しんで読めると思います。作中サラッと流されていたふたりの過去や生い立ちなども今後描かれるのでしょうか。
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