このレビューはネタバレを含みます▼
この方の作品は知る限り拝読させていただいています。とくに私が小中学生の頃に連載されていたこどものおもちゃには心酔していたものです。
このお話は【猫の島】の続編になりますが、そのお話も笑いあり、感動あり涙ありで読みながら何度も泣いた記憶があります。私の情操教育は小花さんが担ってくれていたと感じるほどです。
獣医を目指して邁進中な草太、地元で絵描きの仕事を細々とこなすまり。身体的な距離はありますが互いの描写を読み解くと心は側にいることを思わせてくれる純愛です。
元気のないまりは元半猫人のナオにナイスアシストされて草太と久しぶりの再会を果たします。
お話としては【続き】が気になるところですが、私がおばあちゃんになる前に読めたらいいなぁ…とゆっくり気長に待てるような、そんな優しい作品だと思います。
小花さんの作品は笑いも多いため「面白い」、「笑える」と率直な感想が出がちなのかと思うところですが(私も子供の頃はそう思っていました)、大人になって読み返すと「あぁそうだったんだ」とスタジオジブリ作品のように子供の時とは違った感想を抱くお話が多い気がします。うまく言えませんが「深良い話」みたいな。
最近(でもないか?)ホットペッパービューティー絡みのこどちゃのお話が掲載されていましたが私の年代の心臓にぶっ刺さるものでした。読者の心臓を鷲掴みにする作品創りには尊敬の念すら抱きます。