このレビューはネタバレを含みます▼
高校生らしく背伸びし過ぎていない等身大の二人の想いが丁寧に描かれています。
エロい展開は今のところまだないのですが、まだないのにも関わらずここまで魅力的に描く作者の惹き込む表現力が素晴らしいです。
母親の言葉に縛られているせいで内向的で相手の反応が気になって自分の気持ちを上手く伝えることが苦手な律が、キヨとのたわいないやり取りから少しずつ打ち解けていって、自分らしさを取り戻していく過程がわかるのがとても良いです。
3巻で主人公のキヨが的場に「冗談っつーのは笑わすために言うもんだろーが」「都合悪くなったときの言い訳に使ってんじゃねーよ」と言い放ったときの爽快感が半端なく好きです。(それでも的場がたじろぐこともしないのはムカつきましたが)
的場は律のことに相当執着しているのが伝わってきますが、歪んだ感情がたくさんありそうで正直律に対して性的なことも含めて好意を持っているのか、いないのかわからないのでそこがめちゃくちゃ気になってます。
基本的にはキヨと律の二人で幸せになって欲しいのですが、的場の歪んだ好意を本気でぶつけたらどうなるのかも怖いもの見たさがあったりもします‥‥。
律の母親もそうですが、的場も含めてああいう話が通じないと感じる人間と対峙したとき、どう向き合っていくのか今後もものすごく気になります。