このレビューはネタバレを含みます▼
学生時代いじめられていました。
いじめられていた子を庇ったことがあります。
母親には「行きすぎた正義感で動くな」と注意されました。
あの頃自身をいじめていた奴等も笑っていた奴等もみんな幸せになってなければいいな と頭の隅で思いながら生きていましたが、この漫画を読んで果たしてその思考は正しいものなのか分からなくなりました。
もしあいつらが大人になり、いじめられるような立場になっていたら、私は本当にざまぁみろと笑えるんだろうか。
逆に、いつか私に子供ができて、その子どもがいじめていたら…我が子に寄り添えるのか、一緒に背負って生きていける覚悟があるか、…分かりません。怖いです。
愛が「心配してくれてるんだ」と言った時、母親が「当たり前でしょ」と言ったシーンで涙が溢れました。私は母親にそう言って欲しかった。
小春が「どうすれば良かったのか分からなかった」と言った時、涙がまた溢れました。笑えば良かったのか、泣けば良かったのか、怒れば良かったのか、当時の私にはわからなかったから。どれも正解ではありませんでしたが…
SNSでいじめていた人たちの個人情報が簡単に漏洩する時代、記事のコメント欄では色々な人たちがいじめっ子を非難しています。
でも現実にはいませんでした。
私がいじめられていた時、自◯してしまった子がいじめられていた時、不登校になってしまった子がいじめられていた時、強い言葉と意思で前に立っていじめっ子に立ち向かって守ってくれる人たちはいませんでした。
いてほしいなと思います。
いてほしかったなと思います。
文字を打つより、個人情報を特定するより
そんなことよりも、いえ…そんなことよりって本音で言えない気持ちも正直ありますが
そばにいる人に目を向けて、守ってあげてほしいです。
寄り添ってあげてほしいです。
いきすぎた正義感でも
背中を蹴られて、教室の床にうずくまっていた子の体に覆い被さった、小学生の頃の私の行動は
絶対に間違えていなかったと思います。