みんみさん

正直なお話をしたいと思います。
まず、ストーリーラインはとても面白いと思います。話の展開には意外性があり、斬新なストーリーは非常に魅力的です。
しかし、ストーリー内のあらゆる情報がキャラクターの主観から述べられており、全体的に客観性に欠けるため、非常に読みづらく、分かりにくく感じます。一度読んだだけでは全てを把握しきれない重層的なストーリーは私も好きですが、本作はただ重層的なだけで分かりにくくなっているわけではないと思います。何が真実で何がキャラの考察なのかがよく分かりません。また、おそらく高度な頭脳戦や攻防戦を表現するためにキャラクター同士の探り合いを大量に描写しているのかもしれませんが、それも客観性が欠ける要因になっており、読者が置いてけぼりになる・没入感を得られないといった弊害を感じ、楽しめませんでした。
最初に述べた通り、ストーリー設定は非常に凝っていて素晴らしいですが、キャラクターが恋慕を抱いたり大きな決心をする理由や過程がもっと丁寧に描写されていたら、キャラクターたちの言動に、読者から見ても分かりやすい説得力が生まれていたんじゃないかな、とか思ってしまいました。全体的にストーリー設定を忠実に描写しようとして心情と言動の因果関係の描写がおざなりで分かりにくいです。せっかく面白い設定なのにもったいなく感じました…。
最後に、サブカプが苦手な人はこの作品も苦手かもしれません。作中にCPが複数(2つだけですが)存在します。