このレビューはネタバレを含みます▼
日々の生活の中でモヤッとすることはたくさんありますが、それを一つ一つ拾って分析して言語化するのって、結構体力を使うんですよね。思考放棄して楽な方に逃げてしまいがち。でも、主人公はじめ登場人物たちは、日々のモヤモヤや違和感に立ち会う度、自問自答して答えをみつけ、勇気を持って「対話」に踏み込めるので、すごいな~~!と心から感心してしまいます。
登場人物みんな個性豊かで大好きなのですが、自分は他者評価に振り回される人間なので、平くんにめちゃくちゃ感情移入してしまいました。「他人から見た自分」をやたら気にするくせに傷つくのが怖くて人と距離を置くところとか、「どうせ馬鹿にされてる」と卑屈になることで自分を守っているところとか。きっと大なり小なり誰もが持ってる心の弱さだと思います。でも、そういう自分のかっこ悪いところ、弱いところから目を逸らさずに己の悪感情と向き合い、その原因を悶々と分析して解決に向かおうとする平くんはえらい!最新刊のエピソードでは思わず涙してしまいました。
人それぞれに自分だけの感受性のカタチがあって、本当の意味で分かり合えることなんてできないけど、「全部は合わなくてもいいから、わかってる人になりたい」という主人公の言葉が全てだと思いました。意図と違う伝わり方をしてしまうのも、相手の言いたいこと完璧に汲み取れないのも当たり前で、「自分の気持ちを自分なりに、言葉を尽くして相手に伝える」それをやめないことが大切なんですよね。主人公は、(というか、みんな!)それができる子なので、ほんとにすごいし素敵だなぁと思います。
心から出会えてよかったと思える作品です!
これからも追い続けさせていただきます(*^^*)