このレビューはネタバレを含みます▼
和風ホラーです、そしてノベルです。
中村春菊さんのイラストですが、火崎勇さんによるノベルです。
出版されたのは2004年、雑誌掲載されたのは2001年から02年と少し古めの作品です。
攻めは体育会系のフリーライター、帯刀(たてわき)壮。受けは三條初音といって、風情ある日本家屋に一人で住み、香りで人の記憶を呼び起こすといった、特殊な仕事をしています。一人でいるのは好きではないのですが、人の気に当てられてしまうので、閉鎖的な生活を余儀なくされているのです。
壮と初音は中学からの友人で、密かに抱いてきた思いが、ある怪奇事件から恋に自覚していくのが前半の「緑蔭の庭」。
香炉を巡る薄暗いホラーが後半の「揺らふ毬」。
現代が舞台でありながら、ノスタルジックな雰囲気です。