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今月(6月1日~6月30日)
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シーモア島


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第一話の冒頭部分だけ御紹介します2017年7月23日本作のヒロインである三島ひかるは、まごうことなき変態です。露出行為に快感を覚える彼女は、普通ならば、恥ずかしいから見られたくない部分を、恥ずかしいから見られたいと切望します。最初は路上で服をめくり、半裸になることで満足していた彼女ですが、それだけは物足りなくなり、警察に捕まらないように合法的に異性に自分の裸を見せる方法について考えます。そして、バスと電車を乗り継ぎ、約二時間もかけて混浴の温泉を目指したのです。
混浴の温泉に到着後、連休中であったために予想以上に入浴客が多く、しかも男性客ばかりであったため、三島ひかるは脱衣所に入ってから、少し戸惑います。けれども、彼女は、もう引き返せないのだと自らを追い込み、勇気を出して、異性に見られることを前提とした人生初の露出行為に挑みます。しかも、バスタオルを巻いて入浴するのはマナー違反であると自らを断じ、せっかく遠くまで来たのからと、自身の全てを見せるべく、大勢の異性の前で思い切って全裸になります。その直後に訪れた圧倒的なまでの快感に、頭が真っ白になりつつも、彼女の体はしっかりと反応してしまいます。
無事、露天風呂に入った後も、快感の余韻に浸りながら、もっと異性に見られたいと三島ひかるは願います。あくまでも自然を装って、淑女として大胆に露出を堪能します。異性に見せるために自ら恥部を露わにし、異性に見られていることに興奮し、ついには異性の前で絶頂に達してしまいます。そこまでのことをしておきながらも、懸命に誤魔化して自然を装う三島ひかるの不自然さに、私は胸の高鳴りを抑えることができません。
露出行為がどんなに不自然であったとしても、露出者が自然を装い、周囲の者がその行為を自然であると認めるならば、そこには社会の規範となる常識が存在し、そして、その常識が、見られる側と見ている側の関係を、紳士と淑女のそれにしてしまうのです。露出とは何と奥の深い行為なのでしょう。言うまでもなく、三島ひかるは、まったくTPOをわきまえていません。周囲の人たちに不自然だと思われた瞬間にTPOは崩壊し、潜在的変態性はTPO崩壊を境にして顕在化する、そのように私は思います。しかし、それでも依然として常識は残存します。常識もいつかは崩壊しますが、TPOと常識の間にのみ、変態紳士と変態淑女は存在しうるのです。
作者の露出への強い愛が痛いほどに伝わってきます。いいね
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