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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 漂流ネットカフェ

    押見修造

    テンポよく読めました(長文です)
    ネタバレ
    2017年11月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻を読み終えた段階ではそこまで引き込まれなかったですが、だんだんと読み進めていくと続きが気になり一晩で一気に読み終えました。
    テンポよく展開&セリフなども少ないのであっという間に読めてしまいます。

    私は極限状態やサバイバル状態になると人間は黒い部分がむき出しになるものだと思うし、エログロは回避できないだろうと想像できるので、非常にリアリティーがあると感じました。ウォーキングデッドとか好きな人はこの作品に合うだろうと思います。
    極限状態だからこそ、もとの世界へ帰る術がないからこそ、自暴自棄になり性欲や暴力が蔓延るのであって、むしろそれが動物としての本能や本来の人間の姿ではないでしょうか。

    結局すべては主人公の妄想がパラレルワールドと繋がったという、主人公にとって都合の良い世界だったわけですが、その設定がこの手の作品をうまくまとめる唯一の方法だと思うので、納得しています。初恋をこじらせてる人間にとって、初恋の人は幻想でしかないので、遠野とは再会していないというオチで正解だと思いました。あの異世界での遠野は、あまりにも凛としており、現実離れした冷静さや気高さがあったので、そこも妄想がなせる技でしょう。

    他のメンバーたちも記憶を持って現実世界へ帰った、という部分もリアルだと思います。
    「自分を殺した相手と仕事できるか?」という違和感を持たれる方もいますが、私は逆にそこが違和感なかったです。ある意味、あんな境遇に陥ることで、現実世界ではわからなかった相手(友人や仕事仲間)の本心に気付けた、ということで‘打ち解ける’‘仲良くなる’とまではいかないにしても嫌がらせしたりされたりという関係はなくなったんではないかなと思います。
    少なくとも誰もが(寺沢以外)「現実世界で起こったことじゃなくてよかった~」と安堵し、もともとは不満がたくさんあった現実での自分の置かれた状況に幸せを噛みしめているのでは。

    ちなみに一番成長したのは、主人公より亀田じゃないかな。クズから頼りになる男に成長してかっこよかったです。幸せになってほしい。