このレビューはネタバレを含みます▼
腐女子カーストなんてセンセーショナルなタイトルがついているものの、内容は性格の悪いオタクの内心あるあるを書いただけのもの。カーストから連想されるものとはかけ離れていました。よくもまあこんな恥ずかしげもなく醜い本音を、自分上げしながら出せるなあと感心しました。
目の付け所次第でいくらいでも笑えたりうなずけたりできるエッセイになったことでしょうね。
一応原作と漫画担当は別らしいですし、編集の指示があるのかもしれませんが、主人公である私はそこそこかわいらしく見えるデフォルメされた絵柄で描かれる一方、作者にとってマウントをとれると思った容姿の劣った方々を主人公とは打って変わって無駄に特徴を描こうとする、その差がまずとても寒いです。
彼氏とのあれこれをSNSで垂れ流していたサークルさんを貶める内容では、彼氏(想像)はやりすぎで私の性格の悪さばかりが印象に残りました。それにオタクに限った話じゃないですね、これ。
その後の話ではSNSではないものの妹に対し呆れられるほど彼氏の話をする私、彼氏のデフォルメもごく普通のもの、彼氏とベタベタなんてせずオタク活動優先する私、となかなか面白い構成になっています。
全体的に貶めたい対象への悪意がダダ漏れ、それでいて出し方が未熟でお金をとるに値する作品として昇華出来ていないという印象を持ちました。腐女子の容姿を貶したいのならそれでもいいと思います。ただ、視点である私との差を極度に出しすぎた結果、当人の言動の説得力が薄れ、作品としてあるあると同意するにも皮肉な笑いにもなれず中途半端。悪意を押し殺し、もう少し絵柄の差をなくす等努力されたほうがよかったですね。作者・漫画担当・編集どなたの方針かは存じませんが。