このレビューはネタバレを含みます▼
昔は少女漫画が大好きだったのですが、大人になるにつれてだんだんと読む機会が減っていました。何かの折に触れて読んでみても心が荒んでいるため「こんな人現実におらんやろw」と斜に構えてしまったり…(それが楽しめるのが漫画のいいところなのに)
『君を映して離さない』は美人でモテモテな親友の隣にいる目立たない子が主人公ということで、わたしも友だちは可愛い子ばかりで似たような苦い思いをすることが多々あったため広告で見かけてから一気に惹かれてしまいました。
恋愛模様だけではなく、友だちに対して抱えてしまうネガティブな感情やそれらとどう向き合うか、そんな葛藤も丁寧に描かれていて共感の嵐でした。親友と歩いてるときに寄ってくる人の視界にわたしが入ってないことなんて日常茶飯事すぎてもはや慣れてるのですが、本当はうっすら傷ついてもいるんですよね。わかる。
その場をやり過ごしていくために傷ついた気持ちを無視して笑って誤魔化すなど、“自分を後回しにする”という楽な選択をとらずに親友と向き合おうとするシーンにはグッときました。「今まで笑って流してたけど本当は嫌だった」って伝えるのって、心臓が張り裂けそうなくらいものすごく勇気のいることだと思うんですよね…そこを乗り越えた主人公にあっぱれだし、変わるきっかけを与えてくれた越前谷くんもすんばらしい(泣)
かといって、香月も春田もちゃんと悪かったところを認めて面と向かって謝れるいい子。こうやって、傷つけ、傷つけられながら成長していけばいいんだよな。春田から謝られたときの犬丸さんの表情に吹っ切れたものが見えて、作者様の表情の描き分けがすごすぎるー!と思いました。
「お大事に」と飴玉を置かれたときの越前谷くんみたいに、自分が何気なくしたことを覚えてくれている人、わたしの存在を認めてくれている人、もしかしたらいるのかもしれないなと思えて、優しい気持ちになりました。全然「こんな人いるかよ!」とは荒みませんでした。笑
越前谷くんにとっても犬丸さんは死神と忌み嫌われる自分とも対等に関わってくれる、唯一の大切な存在なのだろうなと思いました。クールな外見とは裏腹に、好きな人のこととなるとすぐに気持ちが揺れ動いてしまう越前谷くんかわいい。ときめいた。漫画を読んでこんな気持ちになったのは久しぶりです。
続きが気になりすぎます。めちゃくちゃ応援してます!