このレビューはネタバレを含みます▼
私は産褥期精神病ではないのですが、生まれた子供に重度の障害がある事がわかり。
何年も続くマトモに眠れない日々、出産前に思い描いた日々と全く違う現実。終わりの見えないトンネルの中、我が子に『生まれてきてくれてありがとう』という感情が持てなくなり、【こんな私が、母親で申し訳ない】という思いや、先の事に不安から【いっそ二人で...】と考えた事もありました。
カウンセリングに通う中で、【心からじゃなくていいから、嘘でいいから、『生まれてきてくれてありがとう』という言葉を言える時にいってみて】と言われて、この言葉を無意味に発しながら【つらい】と思い続けてた日々が続きました。そんな日々が続く中、息子の寝顔を見ていた時になぜだか突然『生まれてきてくれてありがとうね』とポロッと
口から出て。『えっ』と自分でも驚き。自分もちゃんと息子を愛せてると。涙が止まらなくなり。主人公の『生まれてきてくれてありがとう』と思えた瞬間のページであの時の感情が一気に蘇り、涙が止まらなくなりました。
今、息子自身が刺激が多い、日常生活が苦手な特性があり、よく、手先や足先をマッサージしてと訴えかけてきます。話せないので、確実にはわからないのですが、主人公と同じで周りにの様々なものに不安を感じ、常にソワソワ感や自分の中に湧き上がる制御不能な感情と常に戦っているのかなとあらためて気付かされもしました。