クロエれおさんがつけた評価
【このレビューはネタバレを含みます】(続きを見る)
親の借金のかたに綿貫の家に買われてしまった春也。最悪の胸糞の始まりですが、一人息子一輝が父親とは違う行動を見せることで春也の正気が保たれることに安堵。
作中の良心、吉島執事が素晴らしい機転を効かせることで難を逃れた春也。
当主のオトモダチはヤバい人ばかりなようで、こいつら地獄に堕ちろと言いたくなります。一輝も思うところはありますが、吉島の行動を見たせいか、春也を父親から守る。結果的に、そういう行動に出たおかげで契約の6年はなんとか生きてこられた。
春也が時たま思う絶望感が苦しくて。不憫で。いつまでこの苦しみを抱えるのか。
いや、きっと消えることはない。
けど、未来、より良い未来が見えてきたらいい。と、そんな救済の気持ちを持ちながら。
一輝も恐ろしく辛い思いをして生きてきた。間違いなく。
おかしくなってしまうのが当たり前だった環境に春也が来たことで踏みとどまっていられた。一輝もまた、吉島に救われた人なんですよ。きっと。
一輝も新しい未来のために成長していくんですね。
春也の実母の容赦ない仕打ちも、一輝と寄り添っていければいつか、薄れていく哀しい記憶になるはず。
愛を知らない2人が少しずつ、愛を知っていくお話でした。
辛くとも先へと進めたくなるのはさすがの夜光先生作品でした。(閉じる)
>全てのレビュー(投稿:23件)