romance2さんがつけた評価
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冒頭の宝石の絵から度肝を抜かれる。
透明感、立体感、高貴な質感、素敵な宝石であることが十分伝わる、リアルな存在感。主役かと思ったら、そこまでではなかった。関わりは持たされてはいたが。
また、海の絵が素晴らしくて楽しんだ。
光に照らされる海面、海岸の景色、橋本先生のお描きになる海は叙情的だ。海賊が襲う荒くれ男達の海の筈が、静けさや包み込む広がりをもって水平線を美しく見せる。
服装も細かいところまで筆が入って線が洗練されてる。建物や船も人がいるスペースなのだと歴然としてる。
絵だけで私からは4星以上確定。
ばあやにヒロインのウッとくる気持ちよくわかる。あんな形の別れになるなんて。
仲を引き裂く陰謀がレベルが低い。
それでハーレムの裏方トップを務めるとは、人材は不足しているのか。
それに二人の危機はなんだそれ(だけ)なのかと、拍子抜け。あれこれ固めたバックグラウンドは活用されきれず終わった。敵味方の描き分け、露呈の過程、彼に真実を知らせる場面への話の持って行きよう、などに演出が凝ると、ドラマ性は高まったかと思う。
ヒロインの彼への警戒を解く変化の絵、二人の親密ぶりを示す絵、或いは行き違いを深める日々の読者に抱かせる焦れ、などを付けても良かった。
星は大甘(4.5のつもり)に付けた。ほぼ絵の為に。
ストーリーのみで考えると辛うじて4星の感覚。
海賊、というものにある種のワクワクを感じることを否定はしないが、序盤の強奪は犠牲者が居たのを知っていて、結末までの鍵にも海賊行為が関わる、というのが、少しクリーンさが落ちる読後感となった。(閉じる)
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