一巻目から期待度は否が応でも最高潮。(レビュー前半は一巻目読んでの所、後半は完読後)
オカルト的なので苦手な人は居るかも。私だって、実はそのテのものは避けているタイプだが、話にのめり込んでしまったから、此は怖くても完読するつもり。評判に違
わず面白さは少女漫画界を突き抜けているかと。
古代日本の神話世界がストーリーの下地にあり、かなり凝っている展開。発端は今をときめく世界遺産決定したばかりの古墳群よりも時代として遡る訳で、それがシャーマンをキーマンに、馬琴の里見八犬伝ばりに玉ならぬ刀集めしていく話。「刀剣乱舞」ブームにも沿うかのタイミングで読んでる気がする。
一遍に読めないので兎に角一冊読んだところで、興奮の残るうちにレビュー第一弾を書いた。それだけ手応えを感じている、ということだ。(後日レビュー追記予定)
追加:子供の頃夢中で読んだ古事記が、樹先生の手で、時空二千年跨いで別の作品に命を吹き込まれた。此は、霊的なものが沢山扱われ、「念」や「気」の視覚化は厳しかったかとは思う。チャレンジングである一方、空気を描くという限界も。物語性は強かったし、絵も景色や建物は素晴らしかった。美形人間も沢山描いているのに、途中、人物、特に女性の顔の線に乱れがあり、本当に先生が執筆されたのだろうかと疑わせる箇所もあった。
しかし、力のある先生でいらっしゃることがよくわかった。高い評価は当然。
扱った題材がおどろおどろしくて、禍々しいのが色々跋扈。
可愛い漫画ではなく(息抜き的ユーモアは出してる)、うっとりするシーンはない。
闇己がかわいそうでこの上ない。七地もだ。私は最後の場面でも、取り戻せなかった。
けれど、ストーリーの運び方は尋常ならざるパワーを感じる。ここまで暗さ怖さがなければ、もっと黒っぽいコマを楽しめたことだろう。
対決シーンにもう少し筆を入れて欲しかった気はする。
それでも、星最高評価に変わり無し。
天叢雲や草薙の剣(つるぎ)、ヤマタノオロチにスセリヒメ、スサノオに大国主命など、こういう古事記の看板役者揃えて漫画に仕立ててあること自体、私には脱帽しかないし、読み物としても圧巻の10巻(文庫だから一冊でコミックス二冊分)二時まで、翌朝会社なのに読むのをやめられなかった。
物凄い実力を堪能した。メインキャラ二人の男性の絵のスッとした、清潔な、ストイックな求道者の様な顔も時折印象的。
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