凄く良かったです。先生の作品は『愛されたがりの嘘つき』から二作品めです。今回も一冊ながら強固な根を張り、逞しい幹に豊富な枝葉をつけた大木のような安定感があり読み応えがありました。タイトルから「切ない感じ?」のストーリーを予想しましたが、ちょ
っと違いました。銀次の過去や身体の事を言うなら、切なく苦しい面もあったと思います。でもそれを払拭するくらいに大らか?大バカ?な千明のおかげで、随分と緩和されて楽しく読めました。喜怒哀楽にメリハリがあって、場面ごとの感情が如実に伝わってきました。中でも千明の《犬っぷり》が最高でした。挿絵には人間の姿しかなかったけど、私にはハッキリと大型犬が見えました(笑)空港での見送りシーンで「うおおーん!」という遠吠えが出た時には面白くて吹いてしまいました。銀次と千明、付き合う相手としてはどっちもどっち…二人とも重そうで、かなり相手を選びそう。ある意味「破れ鍋に綴じ蓋」そんな二人が合うと言うのなら、これ以上はない組み合わせだよなと思います。次は『そらのだいじな旦那さま』シリーズを読むのが楽しみです。
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