敵ばかりの天堂家で孤独に戦う雅人、ひたむきに雅人を守るらん、二人の恋と秀逸なミステリーが同時に楽しめる贅沢な本作。陰鬱で禍々しい気配漂う天堂家、狂気に憑かれた住人、まるで犬神家を彷彿とさせる不気味に描かれた舞台がストーリーを引き立てる。
キャラクターも魅力的で、特に振り切った俺様気質の雅人は、独特なタッチで描かれる眼光鋭い容貌がぴったり。ニヤリと笑ったり、「ハッ」の笑い声、らん対する天邪鬼な愛情表現がだんだん癖になる。一方のらんも回を追う毎に女性らしくなり、長い両片思いのもどかしい二人を立花と一緒に応援したくなる。そして遂に、、のシーンは万感の思い。
金平糖のエピソード等、二人の激甘シーンやコミカルなシーンもバランス良く織り込まれ、何度読み返しても面白い。
今後も、天堂家の謎、二人の恋の行方、結末まで必ず見届けたい。
補足で、10巻と13巻は特装版でも発売されていることを知らず結果的に両方購入したが、本作が好きなら特装版がお勧め。特に13巻特装板はファン必見。
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