Perfect Crime ： 12

現在公開されている一巻のみ読みました。早く真相や恋の行方が知りたいので二巻目が待ち遠しいです。

ストーリーは、家庭のある男・冬木部長に夢中になってしまった主人公・香織は7年間不倫関係を続けてきた。様々な不安を抱えつつも彼を愛しているから、現状に満足しようと仕事に打ち込んでいた。そこへ香港からやってきたデザイナー・東雲に不倫がバレてしまい、そんな関係は止めるべきだと迫られて…。
香織のことが好きだとも思えない彼は、何故そんなに不倫をやめさせたがるのか？本当に香織のために止めさせたいと思っているのか、それとも…。彼の罠とは一体？果たして香織は幸せになれるのか。

と、続きが気になる要素がたくさんで読んでいてドキドキしました。また、ベッドシーンも多く、月島さんが綺麗な絵で仕上げてくれていたので楽しめました。
原作者の方が別にいらっしゃる作品で、それがまたちゃんとしてくれているおかげで、本当に大人の恋愛が楽しめます。
TLならではの、最初から好きだった～なんてご都合主義展開にはいかなそうです。むしろ本当に東雲は香織のことが嫌いだからこそ近づいたんだろうな…と思えるので、それがこれからどうなるのか。嫌いだったはずなのに恋愛感情になるのか、ドキドキハラハラ、そしてワクワクして続きに期待しています。

重要になってくるのは、冬木部長の奥さんじゃないかなぁ、と予想していますが…。一番最低なのは冬木部長で、奥さんのこともどう思っているのか気になるし、香織にどこまで本気なのかも知りたいです。

香織はプランナー、東雲はデザイナーなので仕事を通じて距離が縮まっていく様子も勿論のこと、仕事の話もしっかり出てくるからこそリアルな大人の背景が見えてきて、恋愛もリアルに感じることができて読んでいて気持ちが盛り上がります。
やはり恋愛のみ見せられてもそのキャラクターを深く掘り下げてくれていないと感情移入できないよねって実感させてくれました。ただ不倫してるだけの香織ではなく、仕事をこれほど好きで一生懸命頑張っていて、だからこそ悩んでいる香織に、読んでいて好感を持つことができました。あとビジュアルが可愛い！33歳なのに!!(笑)
勿論男性陣もとても魅力的です。何考えてるか分からない強引イケメン達に翻弄されます。

一巻目でこれだけ盛り上げてくれたので、駆け足で終わらせたりせず続きもじっくり描いてほしいです。

見事にこじれまくっている４人を中心にいくつかの恋が渦巻く。愛憎に振り回される大人たちの物語として十分楽しめる。それぞれが大切な人と幸せになってほしい。
ただ、この作品は、どうも『罠』というキーワードが先走り過ぎて余分な妄想がおき、素直に作品に浸りきれない感がある。
３巻での回想シーンでは、東雲さんの心の変遷がきちんと描かれていて、彼なりの思いを抱えて、ありのまま香織さんに伝えていると納得できる。
最初から、罠という感じより、支配されている香織さんを解き放ってやりたい気持ちがきちんと表現されているので、ここでそれがしっかり回収できている。
ただただ、１巻中盤での彼女のセリフのハズがないモノローグが、混乱を招く。
無料３巻まででは、かき回し役は小野さんに思える。

月島先生に対する私の印象が、良い意味で変わった作品です。
今迄、私が読んできた先生の作品は、一言でいうと「甘い」でした。ストーリーも絵のタッチも…
でも、この作品は人間の感情が根底から描き出されていて、自分はこういった経験はないけど、「もし経験したらヒロインやその他の登場人物と同じようにしたかもしれない」っていうように、ストーリーの中の一つ一つの出来事において考えさせられました。
又、この作品のストーリー設定は誰にでも起こり得るものなので、場面によっては背筋がゾッとしたり、ヒロインに感情移入したり…まるで、作品を読んでいると実体験しているようでした。
凄い作品だと思います！社会人の人は読んだ方が良いと思える作品です！