ヒロインマリッサは出来すぎ。秒単位で1日のスケジュールを立ててこなすという超人。彼女の休憩は、彼女の父親から自堕落と責められ 根底には強迫観念の帰来がある。これは キチンとする のに大切な手段のひとつとも考えられるが、それは子供に影響を与え
ないだろうか、子供は大人が考えているほど鈍感ではないのだからと、本筋でない方へ意識は向いてしまう。色々と波及効果を見受けられる物語だけれど、HQとしての大人の関係も シングルの子育て学習も中途半端でもったいない。ヒーローアレクが一般的なシングルファーザーなのにマリッサのせいで とぼけたキャラに見えてしまう。が、離婚という憂き目に遭って養育費を受け取っていても 支援なくシングルの子育ての大変さは伝わる。その中で懸命に前を向いていくマリッサの姿勢は素晴らしいし、アレクも妻を亡くした悲しみに暮れる暇なく子育てしなければならないその気の毒さも伝わるし、自分の子供時代を娘に重ねて 愛情をもって成長に寄り添いたい気持ちが伝わるが、重さは伝わらない。子育てという共通項による意気投合した2人の物語と読めるぶん、子育て終了後の2人の未来には 何を絆としてお互いを認め合うかという価値観が見られず、ただ今を やり過ごした物語になっている印象だ。
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