太陽が照りつける夏の放課後。
いじめられっ子の少年 亜紀は、幼馴染の少女 唯に告白する決心をする。
しかし帰り道、唯は突然姿を消す。確かに一緒に歩いていたのに。
唯一の味方であり恋心を抱いていた唯を失い、絶望する亜紀。
そんな彼の元に、唯は再び姿を現す。
「私、影になったんだよ」
彼女の姿は異様だった。
影の中から手足を伸ばし、泳ぐように移動する。
影さえあれば自由に出入りできる。
地面でも、天井でも、ヒトの体でも…
彼女は本当に唯なのか…それとも別のナニカ?
唯を取り戻そうと奔走する亜紀。
その思いとは裏腹に「影」の悪夢は彼らを呑みこんでいくーー