「私の平穏を脅かすものは、誰であろうとぶっ殺してやる」
10歳にしてエリート職である宮廷魔術師になった天才少女・ローズ=フレイマン。
宮廷魔術師は誰もが憧れる誇り高き職業――しかし名誉とは裏腹に、彼女の立場は「社畜」そのものであった。
そんな生活に嫌気がさした彼女は、生涯働かずに済むだけのお金を貯め、宮廷魔術師の職を降りる。それから始まった、辺境の一軒家でのスローライフ。昼間は散歩しながら薬草採取。夜はゆっくり湯船に浸かって、大きなベッドでぐっすり眠る。まさに理想の生活を送り始めたローズの人生は、薔薇色かと思われた。しかし――――
これは、自身の平穏を守るために奮闘していたら、数多の伝説を残すことになってしまった、そんな天才魔術師の物語――――