凄い能力を持つ質屋の子、志のぶと、家族失踪で天涯孤独となって、質屋さんに「質入れ」された顕定が婚約者同士。ラブ成分はまだまだ。ラブ期待の読者は読んでも楽しめないだろう。
石の放つ「気」と、石にまつわるミステリアスなストーリーが、作者のとど
まるところを知らないような創作力によって飽きさせず、一向に明らかにならない赤い石ミステリーの方が解明進むとき、この話は完結に近づくのだろうと思っている。
「のだめカンタービレ」ののだめのポジション的にいるのが、志のぶ、千秋先輩が顕定、と置き換え可能な配置に見えるが、1回〜数回で一旦ストーリーに結末がありながら、話としての中身は、趣向としては解決までまだ出口を見せていないミステリー。これまで未踏なジャンルといおうか、こちらは宝石・貴石などの石の蘊蓄が、読んで知識を得た気分もくすぐるユニークな作品。扱うものが物だけに舞台はセレブの世界が多い。
漫画としての面白さは流石二ノ宮先生、よくもまぁこうまで石ジャンルだけで描ける、と、原則完結ものをレビューしたい私が、それまで待っていられず、まだ終わりが全く見えない中で(最新刊は第7巻)、読んでいない人にお伝えしようという気分になった。普通にもう、こんなに長編になってくると、ラブ展開も欲しい気持ちもある。これはその兆しなのか、というところはチラ見せされた。
しかし、ストーリーのダークな部分の動きもスイッチ入りかけているので、そのスリリング追及が優先かも。しょうもない母親や人間関係のあやの中で、話は一体どうなるのか、完結してくれる気があるのか不安になるが、ついつい引き込まれて読んでいる。
横顔イケメンは笑った。個人的体験で、音楽会で前列の席の人に娘と二人釘付けになり、正面顔見えたときに横だけで良かったね、ということがあったことを思いだし笑えた。
追記:11巻目の今も少しずつしか顕ちゃんを取り巻く謎解きは進まないが、志のぶは緩やかでも確実に顕定さんに合う女になって行ってるのか、と思わせる。乃和カードは長いだけでなく、彼には重要キーだったと分かり、興味を引かせる。1冊1冊頁薄すぎ。(2020/9/1)
最新巻22巻迄読了。深川めし弁当は美味しいですよね!
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