稲豊中学卓球部を中心とした出来事はどのような展開をみせるのでしょうか、ハラハラとした中で、面白さもふくらんでいくようです。このハラハラは、ハラハラと見せようとしている作者の腕の見せどころなのでしょう。一つ一つの画面も大切、一字一句のセリフも大切、作者の手練手管に乗せられ、流されていく道中に停滞と退屈を感じさせなければ一定の評価が得られた、といえるのです。言葉についても、心と言葉の持つ意味との結びつきほど大切なものはありません。例えば、注意をするということは、相手に対して、気をつけさせたり、用心をさせるように、指示することですが、これに語気を強めれば叱ることになり、感情を交えれば怒る、という事にもなるのです。そして相手も、これはイジメだ、と捉えれば、会話の趣旨は損なわれてしまうのです。誰でも最初から、これは叱りだ、これはイジメだ、などと考えての行動なんかしないのです。しかし聞く者は、言われた瞬間に判断する傾向があるのです。心と言葉の関係は難しいです。