明日美子先生の短編作品集です。収録されている4作品全て秀美で素晴らしいんですが、『ばら色の頬のころ』に登場するユージーンとジェリーのその後の話を主に読みたくて。でも、こちらは2008年に刊行されたバージョンで、『彼の左目』でのユージーンとジェリーの行く末はこれまた曖昧で気になる終わり方で描かれています。加筆後の新装版(中村明日美子コレクション2015)に収録されている『Belgian waffle』と『Ange d'un œil』で、ユージーンとジェリーが実際どうなったのか読めます。もう最高でした。表題作の少女たちの物語でも明日美子先生独自の発想や世界観が際立っていて惹きつけられました。そしてやはりぶっ飛んでらっしゃる。すごい。ゾッとしますが物語としてとても面白いです。