よくある展開も多いのに、結構イケます。可愛いと思えば、出来ないようなことを、アンジェリーナちゃんはされてしまったのか、という、ヒロインの胸の痛みを感じました。
未婚の十代でも、よその子供を抱き上げて頬擦りしたくなる、頬っぺたをにチューしたくなる気持ちはあるものです。HQは、恋愛にキュン向けの作品が多いと思いますが、赤ちゃんや幼児にキュンも、女性ならかなりそうだと思うのですが。
HQでは、誤解されて、ひどい言葉で侮辱されるヒロイン多いですが、この作品は、言われて彼女が苦しむのは勿論ですが、言った方の、彼の後悔の描写に、彼のキャラが出ています。
いわれなき中傷の被害者ヒロインの心を想って溜まっていく読者サイドの鬱積が、こんな僕のことを君は愛してくれるというなんて、との謙虚な姿勢を見て、晴れました。むしろ、許せないレポートを平気でよこす人物が、最後まで無傷なのがたまらなく悔しい気分はプスプスと残りますけれども。
世の中、人を貶めることを、平然とまことしやかに吹聴する人がいるものですが、悪い人間の真の怖さが描かれてます。あることないことを書かれた事実を知らされなければ、その裏の顔が最後までヒロインが分からなかったところに、このストーリーの本当の怖さがあります。そいつはいい気味だと高笑いで終わり?
嘘でしょ、正義の鉄槌無し?、心から悔い改めてほしかったのは誰?という気分一杯になりますから!
絵柄に、荒れた印象のある義母、他にもなんとなくぎこちなさの残るような線が感じられ、結婚に至るまでの横暴さとどこか重なります。
事故が多すぎるのが、不自然ですがその事故こそが、彼を臆病にさせた設定なので受け入れるしかありません。
それでも、最後の事故は相当後遺症の出る大事故に見え、義母が捕まったくらいの結果を伝えても、なんだか収まりはつきませんでした。HQだから仕返しがメインではない、それで済んじゃうんだ、ということを受け止めるしかなくて。
二人の展開をしっかりメインにした分、そこは安心です。
愛をキッチリ告白してからの素直な二人は、これまでの経過が示す通り、子煩悩間違いない。
細やかな二人のもとで育つ子供たちの声が響いて、家の外まで聞こえてくるような家庭的な結末でした。